
海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許付与後再審理の開始を裁量により却下することに関する暫定指針を撤回
米国特許商標庁(USPTO)は、2025年2月28日、特許付与後再審理(AIA Post-Grant Proceedings)の申立がなされた際に訴訟手続が並行して係属している場合について、特許審判部(PTAB)の裁量によって再審理開始を却下する条件などを示した暫定指針を撤回しました。撤回理由の説明はありません。
2.米国 人工知能に関する知的財産戦略を取り下げ
米国特許商標庁(USPTO)は、2025年1月14日に公表した「人工知能戦略(Artificial Intelligence Strategy)」を同庁のwebサイトから取り下げました。
3.米国 特許出願関連の適時統計情報の掲載サイトを改善
米国特許商標庁(USPTO)は、2025年3月7日、特許出願関連の統計情報を適時更新して掲載しているサイト(Patent Dashboard)について、掲載データをより充実させるとともに、掲載形態の改善を図ったことを公表しました。
4.欧州 欧州特許審査指針、単一効欧州特許指針、PCT-EPO指針の2025年版を公表
欧州特許庁(EPO)は、2025年2月3日、「欧州特許審査指針 2025」、「単一効欧州特許(UP)指針2025」、「PCT-EPO指針 2025(国際調査機関としてのEPOの調査および審査指針)」の先行閲覧版を公表しました。これら指針は、2025年4月1日に正式発効されます。
5.欧州 ラオスとの間の欧州特許認証協定が発効
欧州特許庁(EPO)は、2025年3月17日、ラオスとの間で締結した欧州特許の認証協定(validation agreement)が発効することを公表しました。 同協定の発効日は、2025年4月1日です。
6.欧州 欧州特許庁が手数料一覧を掲載するサイトを変更
欧州特許庁(EPO)は、2025年2月21日、手数料一覧を掲載するとともに所望する手数料の検索機能を提供するwebサイト(interactive schedule of fees page)について、様式の変更を行うことを公表しました。これに伴い、同webサイトのURLが変更されます。手数料の金額に変更はありません。
7.欧州 統一特許裁判所が年次報告書を発行
欧州統一特許裁判所(UPC)は、2025年2月14日、2023年6月の発足後初めてとなる年次報告書の発行を行いました。
8.韓国 特許・実用新案の優先審査申請の対象範囲を拡大し要件を緩和
韓国特許庁(KIPO)は、2025年2月19日、「特許・実用新案の優先審査申請に関する告示」の一部改正を公示するとともに、その他の関連する告示を行いました。改正は、優先審査申請の対象となる技術分野の拡大や申請要件の緩和を行うものです。改正は、同日に施行されました。ただし、申請人に韓国内で実施または実施準備中であることなどの制限があり、韓国外の出願人にとって利用が難しい制度となっています。
9.韓国 意匠創作者の訂正時期および要件に関するデザイン保護法施行規則の一部改正
韓国特許庁(KIPO)は、2025年2月12日、意匠登録出願における意匠創作者について、創作者の追加または訂正によって真の創作者でない者が創作者とされることを防止するため、追加/訂正の時期と要件を厳格化するデザイン保護法施行規則の一部改正を公布し、同日付けで施行しました。
10.英国 標準技術実施者に対し係争中の標準必須特許の暫定的ライセンス許諾を認める判決
英国控訴院は、2025年2月28日、「公正、合理的、かつ、非差別的(FRAND)条件」でライセンスすることが宣言された標準必須特許(SEP)について、当該SEPの対象である標準技術の実施者に対し、裁判所が最終ライセンスのFRAND条件を確定するまでの期間の暫定的ライセンス許諾を認める判決を下しました。この判決では、当該実施者が英国裁判所によりFRANDと判断された条件でライセンスを受ける意思を示しているにもかかわらず、SEP権利者が英国以外の各国で差止請求などを行っている状況が、FRANDライセンス交渉に必要な誠実義務に違反すると認定されました。
11.英国 標準必須特許プールのライセンス料率の妥当性を判断する管轄権はないと判示
英国控訴院は、2025年3月6日、標準必須特許(SEP)プールのライセンス料率について、「公正、合理的、かつ、非差別的(FRAND)条件」として適正か否かの宣言を求めた標準技術実施者による訴えを、宣言を行う管轄権がないとして棄却しました。
12.ベトナム 日本特許庁との特許審査ハイウェイ試行プログラムを延長
ベトナム国家知的財産庁(IPV)は、2025年3月12日、日本特許庁(JPO)との間で行っている特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムを、2025年4月1日から2028年3月31日までの3年間、フェーズ4として延長することを公表しました。 JPOからも同様の通知が出されています。
13.ブラジル 統合型特許審査ハイウェイ試行プログラム・フェーズVの運用を一部変更
ブラジル産業財産庁(INPI)は、2025年3月25日付け産業財産公報(RPI No. 2829)に、統合型特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラム・フェーズVについて、PPH申請の受付に関する運用を一部変更する省令(PORTARIA/INPI/DIRPA No. 03/2025)を公示しました。この省令、2025年4月1日に発効します。
14.ARIPO 特許および意匠に関するハラレ議定書を一部改正
アフリカ広域知的財産機関(ARIPO)は、2025年1月31日、特許および意匠に関する実務事項を規定したハラレ議定書を一部改正することを公表しました。この改正とともに、特許および意匠について、議定書に関連する施行規則、書式、手数料の改定も行われました。改正後のハラレ議定書は、2025年3月1日に施行され、既存および新規の出願のすべてに適用されます。なお、実用新案に関わる部分についての変更はありません。
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