海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 ターミナルディスクレーマにおいて陳述が必要な条件を追加する規則改正案を撤回
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年12月4日付け連邦官報に、自明型二重特許の拒絶を回避するために提出可能なターミナルディスクレーマについて、権利行使の制限に関する条件を追加する特許法施行規則の改正案を撤回することを公示しました。
2.欧州 許可可能の請求範囲に合致するように明細書の内容を適合させる実務に法的根拠はないと審決
欧州特許庁(EPO)の技術審判部は、2024年10月4日、許可可能な請求範囲が当初の請求範囲より限定されていた場合に明細書の記載をそれに一致するよう補正を要求する実務(adaptation:適合化要求)について、欧州特許条約(EPC)およびEPC規則にもとづく法的根拠はないとする審決をくだしました。
3.欧州 訴訟提起が統一裁判所協定発効前である場合にはオプトアウトの撤回は可能と判決
欧州統一特許裁判所(UPC)の控訴裁判所は、2024年11月24日、オプトアウトの撤回は、訴訟提起が統一裁判所協定(UPCA)発効前である場合には、その訴訟が係属中であるか否かにかかわらず認められると判決しました。
4.カナダ 知的財産関係の庁手数料を改定
カナダ知的財産庁(CIPO)は、2025年1月1日から、知的財産(特許、意匠、商標、著作権、集積回路配置権、など)に関連の庁手数料を一部改定します。 改定される手数料は、4%前後の値上げとなります。
5.ミャンマー 新商標法にもとづく初めての商標登録証を発行
ミャンマー知的財産局(IPDM)は、2024年12月1日、新商標法(2019年商標法)にもとづく初めて商標登録証を発行しました。2020年のソフトオープニング期間から初めての登録証発行を公表しています。
6.WIPO 国際意匠制度に対する1960年ハーグ協定の適用を凍結
世界知的所有権機構(WIPO)は、2024年11月15日付け通知で、ハーグ同盟総会において意匠国際登録に関する1960年ハーグ協定(1960年協定)の適用を凍結する決定がなされた旨を通知しました。この決定は、2025年1月1日に発効します。
7.WIPO 特許協力条約(PCT)にもとづく規則を一部改正
国際知的所有権機構(WIPO)は、2024年12月3日、特許協力条約(PCT)にもとづく規則の一部改正を通知しました(PCT Notification No. 226)。改正は、出願またはその他書面の提出を原則電子とすること、および、国際調査と国際予備審査における書面形式でない先行技術の取扱に関連する条項を変更するものです。前者の変更は2025年7月1日から、後者の変更は2026年1月1日から発効となります。
8.国際出願 手数料を改定
日本特許庁(JPO)は、2024年12月2日、国際出願手数料の改定を公表しました。改定手数料は、項目毎の基準に従い、2025年1月1日から適用になります。国際出願手数料は減額されますが、一方で、オンラインで出願した場合の減額幅は小さくなっています。
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