海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許関係の庁手数料を改定する特許規則改正を公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年11月20日付け連邦官報に、特許(発明・意匠・植物)関係の庁手数料を改定する特許規則の改正を公示しました。改定は、米国内出願/調査/審査手数料、特許出願の審査に係る手数料、特許許可後の手続に係る手数料、特許発行後の手数料、特許審判部(PTAB)での手続関連の手数料、PCT出願および国際意匠出願に関連する手数料、など広範囲に及びます。特許規則改正は、2025年1月19日に発効します。
2.米国 商標関係の庁手数料を改定する商標規則改正を公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年11月18日付け連邦官報に、商標関係の庁手数料を改定する商標規則の改正を公示しました。本改正により、28項目の手数料変更(内、7項目は新設)と、4項目の手数料廃止とを含みます。商標規則改正は、2025年1月18日に発効します。
3.米国 特許審査便覧(MPEP)の2024年改訂版を発行
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年11月8日、特許審査便覧 第9編の2024年改訂版(MPEP Ninth Edition, Revision 01.2024)を発行しました。MPEPの第200章から第700章、第900章から第1600章、第1800章、および、第2100章から第2900章に変更があります。
4.米国 DOCX出願明細書のチェックツールの利用方法を改善
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年11月13日、米国電子出願用のDOCX出願明細書がUSPTOの定めた仕様に合致しているか否かを模擬的にチェックするためのツールについて、その利用方法を改善したことを通知しました。
5.米国 日本特許庁との米日協働調査試行プログラムを終了
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年10月31日、日本特許庁(JPO)との間で行っている米日協働調査試行プログラムを終了しました。
6.米国 登録商標の使用を証明する宣誓供述書または宣言書に対する監査を強化
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年10月28日付け連邦官報に、登録商標の使用を証明する宣誓供述書または宣言書に対する監査を強化する施策変更を通知しました。この変更は、同日付で施行されました。
7.欧州 欧州連合意匠法の改正法を公布
欧州連合知的財産庁(EUIPO)は、2024年11月18日、欧州連合(EU)意匠法の改正法が官報により公布されたことを通知しました。改正法は、「共同体意匠に関する欧州理事会規則の変更および欧州委員会規則の廃止に関する改正規則(No. 2024/2822)」と「意匠の法的保護に関する指令(No. 2024/2823)」とで構成されます。「指令」は、2024年12月8日(公布から20日後)に発効しますが、EU加盟国が国内法に組み込むために36月の猶予期間が設けられます。また、「改正規則」も2024年12月8日に発効しますが、その適用は、通常2025年5月1日から(フェーズI)、および、さらに施行規則または委任規則が必要な項目については2026年7月1から(フェーズII)で、段階的に行われます。
8.英国 ハーグ条約にもとづく国際意匠登録に対する保護付与の声明の発行を継続
英国知的財産庁(UKIPO)は、2024年8月29日、ハーグ協定にもとづく国際意匠登録の英国での保護付与について、2024年2月から試行的に進めてきた保護付与の声明(statement of grant of protection: SOG)の発行を今後も継続することを公表しました。
9.スウェーデン 現行特許法に代わる新特許法を制定
スウェーデン議会(Riksdag)は、2024年10月16日、政府が提案した新特許法に関する法案を可決し、法制化することを公表しました。新特許法は、2025年1月1日に発効し、1967年特許法の流れをくむ現行特許法に置き換わります。
10.韓国 特許の発明者に関する手続を厳格化するために特許法施行規則を一部改正
韓国特許庁(KIPO)は、2024年10月31日、特許の発明者に関する手続を厳格化するための特許法施行規則の一部改正を公布しました。この一部改正は、2024年11月1日に施行されました。なお、実用新案の考案者について同様の改正が、実用新案法施行規則に対してなされています。
11.台湾 発明専利出願と意匠専利出願の実体審査延期手続に関する規則を統合
台湾経済部知慧財産局(TIPO)は、2024年10月29日、発明専利(特許)出願の実体審査延期申請と意匠専利出願の実体審査延期申請の手続に関する規則とを統合し、発明専利出願と意匠専利出願の両方に適用される改正規則として「発明および意匠專利出願の実体審査手続の運用要領」を公示しました。この改正規則は、2025年1月1日に施行されます。
12.台湾 専利無効審判事件の口頭審理に関する運用指針を改正
台湾経済部知慧財産局(TIPO)は、2024年6月11日、専利(特許、実用新案、意匠)の無効審判事件の口頭審理手続の運用指針について、その名称を「専利無効審判口頭審理作業方案」から「専利無効審判口頭審理作業要領」に変更するとともに、正式な口頭審理を行う前の準備手続の強化などの改正を行いました。この改正は、即日施行されました。
13.シンガポール 人工知能関連発明の審査に関する補足指針を公表
シンガポール知的財産庁(IPOS)は、2024年10月13日、人工知能(AI)関連発明の審査に関する補足指針を公表しました。補足指針には、AI関連発明について、主題適格性と、進歩性・サポート要件・完全な開示の要件との審査についての考え方、および、仮想事例による審査例の解説があります。
14.インドネシア 2024年改正特許法を施行
インドネシア政府は、2024年10月1日、2016年特許法(Law Number 13 of 2016)の第3回改正法(Law No. 65 of 2024)が大統領により承認されたことを公表しました。この改正特許法は、2024年10月28日に公布され、同日に施行されました。改正特許法の施行規則や指針は未発行です。
15.ミャンマー 特許出願の受付を開始
ミャンマー知的財産庁(IPDM)は、2024年10月31日、特許出願の受付を開始する旨を公示し、受付開始のセレモニーを催しました。また、IPDMは、特許出願の受付開始に先立って、2024年10月22日、特許関連の庁手数料を公表しています。
16.ウズベキスタン ハーグ制度ジュネーブ改正協定に加盟
ウズベキスタン政府は、2024年10月10日、ハーグ制度1999年ジュネーブ改正協定の批准書を、世界知的所有権機関(WIPO)に寄託しました。
17.WIPO 外交会議において意匠法条約を採択
世界知的所有権機構(WIPO)は、2024年11月22日、サウジアラビアのリャドで開催されていた外交会議において、各国の意匠制度の手続面の調和を目指した意匠法条約(DLT)が採択されたことを公表しました。
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