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弁理士法人 鈴榮特許綜合ニュース海外情報2024年8月号

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弁理士法人 鈴榮特許綜合ニュース海外情報2024年8月号

2024/09/04

 

海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。

1.米国 特許および商標の審査滞貨の削減に向けた所信を表明
   米国特許商標庁(USPTO)長官は、2024年7月11日、長官ブログにおいて、特許および商標の審査滞貨の削減に向けた所信表明を行いました。所信表明には、COVID-19パンデミックなどによる予期できないマクロ的な影響により「引き継がれる滞貨(inherited backlog)」が生じていることに対し、その滞貨の削減と審査係属期間の短縮に向けた施策、情報技術(IT)システムの更新、ユーザへの要望などが含まれます。

 

2.欧州 調査および審査手続における庁通知で引用される特許文献の配布を中止
   欧州特許庁(EPO)は、2024年7月31日付け庁公報において、調査および審査手続で発行される庁通知において引用される特許文献について、EPOからの写しの配布を中止し、出願人または代理人がEPOの特許データベース(Espacenet)から取得する方法に切り替える旨を通知しました。この変更は、2024年10月1日以降にEPOの調査部または審査部から送付される庁通知に対して適用されます。

 

3.欧州 審判部の審決判例法集の暫定改訂版を公表
   欧州特許庁(EPO)は、2024年6月11日、審判部の審決判例法集第10版(2022年7月発行)について、2023年12月31日までに出された審決にもとづき一部分を修正した暫定改訂版(HTML形式)を公表しました。暫定改訂版は、審決判例集が3年毎に新版が発行されるので、その発行までの間に出される審決により判例法の修正が必要になった部分を周知する目的で公表されたものです。

 

4.英国 標準必須特許に関連する情報を集約したwebページを立ち上げ
   英国知的財産庁(UKIPO)は、2024年7月22日、標準必須特許(SEP)に関する情報を集約したwebページ(SEPリソース・ハブ)を立ち上げたことを公表しました。SEPリソース・ハブは、SEPに関するガイダンスを必要とする大規模から小規模にわたる企業などに対し、必要な情報をワンストップで提供するwebサイトです。UKIPOは、ハブの立ち上げのために、SEP実装者、SEP保有者、新興企業、研究・学術機関などの幅広い関係者の協力を得ています。

 

5.英国 複数の構成要素からなる製品の意匠出願の審査実務を明確にする指針の改定
   英国知的財産庁(UKIPO)は、2024年8月1日、「意匠登録の審査実務指針(2017年3月16日発行)」について、「複数の構成要素からなる製品」の外観意匠に係る出願の審査実務を明確にするための改定を行いました(Designs Practice Notice 01/24)。当該意匠出願の審査実務に関する従来の規定(審査実務指針 2.14-2.16)は廃止され、改定された内容に差し替えられました。この改定は、審査実務を実質的に変更するものではなく明確化を目的としたものなので、即日適用となりました。

 

6.中国 専利証書の書式を変更
   中国国家知識産権局(CNIPA)は、2024年5月10日、専利証書(発明・実用新案・意匠)の書式変更を通知しました。新書式の専利証書は、2024年6月1日以降に登録通知される専利に適用されます。

7.韓国 二次電池関連の特許/実用新案出願の審査を専属で行う組織を新設
   韓国特許庁(KIPO)は、2024年6月13日、二次電池関連特許/実用新案出願の審査を専属で行う組織を設置することを公表しました。新設組織は、二次電池の正極・負極や電解質などの素材関連技術の審査を行う「二次電池素材審査課」、電極の構造設計・製法・パッケージングなどの技術の審査を行う「二次電池設計審査チーム」、および、回路システム・リサイクルなどの技術の審査を行う「二次電池制御・管理審査チーム」の部門からなります。

 

8.韓国 国際登録の分割申請に関する条項の不適用通知を撤回
   世界知的所有権機関(WIPO)は、2024年6月6日、韓国特許庁(KIPO)から、「マドリッド協定議定書の国際登録の分割申請に関する条項の不適用通知」を撤回した旨の連絡を受けたことを通知しました。KIPOによるこの撤回は、2024年5月1日から効力を有します。

 

9.シンガポール 特許方式マニュアルの改訂版を発行
   シンガポール知的財産庁(IPOS)は、2024年4月11日に通知された特許方式事項の変更を反映させた「特許方式マニュアル(PATENTS FORMALITIES MANUAL)」の改訂版を発行しました。

 

10.ラオス 2023年改正知的財産法が発効
   ラオス政府は、2024年3月1日付け官報に、2023年改正知的財産法(Law on Intellectual Property (Amended) No. 50/NA)を公示しました。2023年改正知的財産法は、2023年11月20日に公布されており、官報による公示をもって2024年1月24日に発効し、産業財産(特許、小特許、工業意匠、商標、集積回路のレイアウト設計、地理的表示、商号、営業秘密)、植物新品種、著作権の権利保護について規定します。同法のラオス語原文および英語訳のPDFコピーは、世界知的所有権機構(WIPO)のLEXデータベースから入手可能です。

 

11.カタール 特許・意匠・商標関係の手数料を改正
   カタール商工省(MOCI)は、2024年6月27日、同省が提供するサービスのための手数料の引き下げに関する大臣決定(Ministerial Decision No. (60) for the year 2024)を発表しました。引き下げは、特許および意匠に係る手数料も対象になっています。改定手数料は、2024年7月11日から有効になります。 また、カタールは、マドリッド協定議定書にもとづく商標国際登録に関し、世界知的所有権機関(WIPO)に対して、自国を指定する国際登録について個別手数料の支払を受ける旨の宣言を行いました。

 

12.WIPO 生成人工知能に関連する世界の特許出願状況を分析した報告書を発行
   世界知的所有権機関(WIPO)は、2024年7月3日、生成人工知能(生成AI)に関連する世界の特許出願状況を分析した報告書(Patent Landscape Report: Generative Artificial Intelligence)を発行しました。報告書には、2014年から2023年までに公開された生成AIに関する世界の特許出願について、特許ファミリー件数ベースの年次動向、発明者国籍別動向、累計件数トップ10出願人などが示されています。

 

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