海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許主題適格性ガイダンスの2024年改訂版を発行
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年7月17日付け連邦官報に、特許主題適格性判断(特許法101条)に関するガイダンス(Patent eligibility guidance)の2024年改訂版を公示し、同日付で発効させました。更新は、特に、人口知能(AI)に関連する発明(AI発明)の特許主題適格性に関する判断方法に焦点があてられており、AI発明の主題適格性判断例として3つの仮想的事例が追加されました。
2.米国 特許発明の試験的利用を特許侵害の例外とする現状に関し意見募集を開始
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年6月28日付け連邦官報に、特許発明の試験的利用を特許侵害の例外とすることについての意見募集の開始を公示しました。試験的利用を特許侵害の例外とする原則が慣習法(コモンロー)の体系の中に位置づけられて狭く厳しく制限されている現状、および、法制化の必要性について意見を求めるものです。意見募集の期間は、2024年9月26日までとなっています。
3.欧州 欧州特許条約に関連する各加盟国の国内法規についてのガイドラインを改訂
欧州特許庁(EPO)は、2024年6月、欧州特許条約(EPC)に関連する加盟国(締約国、拡張国、有効化国)の国内法規の重要事項をまとめたガイドライン(EPCに関する国内法)の改訂版(第23版)を公表しました。
4.欧州 特許性審査時のクレーム解釈における明細書や図面の参酌に関する質問を拡大審判部に付託
欧州特許庁(EPO)拡大審判部は、2024年7月1日、特許出願や異議申立における特許性審査時の特許クレームの解釈において明細書や図面を参酌することについて質問が付託され、審理(G 1/24)を開始した旨を公表しました。なお、EPO長官は、2024年7月2日、係属中の特許出願や異議申立の審査が質問付託によって影響を受けないように、拡大審判部が結論を出すまでは現状の実務を継続する旨を通知しました。
5.ブラジル 特許審査ハイウェイ試行プログラムの2024年申請の受付を終了
ブラジル産業財産庁(INPI)は、2024年7月16日、日本特許庁(JPO)などと行っている統合型特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムの2024年申請受領総数が上限に達し、2024年の新規申請受付を終了する旨を通知しました。
6.マカオ 中国知識産権局が権利付与した発明専利の拡張申請に必要な要件を緩和
マカオ経済技術開発局(DSEDT)は、2024年6月19日、中国国家知識産権局(CNIPA)が権利付与した発明専利をマカオ特別行政区に拡張するための申請要件を緩和する旨を通知しました。要件緩和は、2024年7月1日から適用されます。
7.セントクリストファー・ネイビス ハーグ制度ジュネーブ改正協定に加盟
セントクリストファー・ネイビス政府は、2024年7月8日、ハーグ制度1999年ジュネーブ改正協定の加盟書を世界知的所有権機関(WIPO)に付託しました。
8.国際出願 手数料を改定
日本特許庁(JPO)は、2024年8月1日、国際出願手数料の改定を公表しました。改定手数料は、項目毎の基準に従い、2024年9月1日から適用になります。国際出願手数料は増額されますが、一方で、オンラインで出願した場合の減額も若干大きくなっています。
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