海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許商標庁に対する手続に人工知能ツールを利用する場合に留意すべき指針を公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年4月11日付け連邦官報に、特許(意匠特許/植物特許を含む)および商標に係る諸手続(出願/審査/審判)に携わる者が当該手続において人工知能(AI)ツールを利用する際に留意すべき指針を公示しました。本指針は、法的拘束力を持つものでなく現行の実務を変更するものではないとはなっていますが、2024年4月11日から適用されています。
2.米国 非代替性トークンの知的財産法や知的財産政策への影響についての報告書を公表
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年3月12日、非代替性トークンの知的財産法や知的財産政策への影響について、米国著作権局と共同で行った検討結果を報告書として公表しました。検討は、米国連邦議会上院司法小委員会からの求めに応じて行われたもので、意見募集/実務者との意見交換/文献や判例の調査などを通じ、特許(発明/意匠)/商標/著作権の側面から検討がなされています。
3.米国 2025会計年度からの特許関係の庁手数料改定案を公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年4月3日付け連邦官報に、2025会計年度(2024年10月~2025年9月)からの特許(発明・意匠・植物)の庁手数料改定案を公示し、意見募集を開始しました。改定案は、2023年4月に公表された原案に対する特許諮問委員会などでの審理を経て策定されたものです。
4.米国 2025会計年度からの商標関係の庁手数料改定案を公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2024年3月26日付け連邦官報に、2025会計年度(2024年10月~2025年9月)からの商標関係の庁手数料改定案を公示し、意見募集を開始しました。改定案は、2023年4月に公表された原案に対する商標諮問委員会などでの審理を経て策定されたものです。
5.欧州 庁手数料の改定に伴う調査料および審査料の取り扱いを明確化
欧州特許庁(EPO)は、2024年3月29日付け公報に、欧州特許出願またはPCT欧州移行(Euro-PCT)出願の際に支払う調査料および審査料の金額および減額適用の有無に関する通知を掲載しました。2024年4月からEPO庁手数料が改定されましたが、本通知は、調査料および審査料について、状況(EPOが国際調査を行ったEuro-PCT出願の場合など)に応じて支払額が変わるため、金額を明確にするものです。
6.欧州 統一特許裁判所第一審の事件取り扱い状況を公表
欧州統一特許裁判所(UPC)は、2023年12月21日、設立後の第一審での事件取り扱い状況を公表しました。UPCは、それ以降、毎月、更新情報の公表を行っています。
7.英国 標準必須特許に関する重点課題や課題解決に向けた方針を公表
英国知的財産庁(UKIPO)は、2024年2月27日、標準必須特許(SEP)に関する重点課題や、課題解決に向けた方針を公表しました。UKIPO は、SEPの公正かつ合理的かつ非差別的な条件でのライセンス(FRANDライセンス)の問題やFRANDライセンスに係る紛争解決の問題などについて立場を明確にしました。
8.ベトナム 日本特許庁との間の特許審査ハイウェイ試行プログラムの申請受付状況を公表
ベトナム国家知的財産庁(IPVN)は、2024年4月5日、日本特許庁(JPO)との間で行っている特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムについて、2023年4月1日から2024年3月31日までのPPH申請受付状況を公表しました。
9.モロッコ 日本特許庁との特許審査ハイウェイ試行プログラムを更新し無期限に変更
モロッコ工商業所有権庁(OMPIC)は、日本特許庁との特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムを更新し、期間を無期限に変更しました。
※ニュース記事は一般的な情報等の提供を目的とするものであり、弊所の法的助言又は公式見解を示すものではありません。この資料を利用して企業活動方針等を決定され営業上の損害が発生したとしても、弊事務所として責任を負い兼ねますことをご了承いただきたくお願いいたします。
閲覧やダウンロードに関する問題やご意見等がございましたら、弊所( gaikoku-g@s-sogo.jp )にemailでご連絡いただきますようお願いいたします。