海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 半導体装置の製造方法や製造装置に関連する特許出願の早期審査試行プログラムを開始
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年12月1日付け連邦官報に、製造方法や製造装置に関連する特許出願の審査着手を早める早期審査試行プログラム(半導体技術試行プログラム)の開始を公示しました。USPTOは、本試行プログラムへの参加申請の受付を、2023年12月1日から開始しています。
2.米国 新商標電子検索システムの正式運用を開始
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年11月30日、これまでサービスを提供していた商標電子検索システム(TESS)の運用を終了し、クラウドベースの新たな商標電子検索システムの正式運用を開始しました。
3.欧州 特許侵害または特許無効の司法手続と並行した異議申立手続の早期審理に関する通知
欧州特許庁(EPO)は、2023年11月30日付け公報に、欧州特許(欧州単一効特許を含む)について、異議申立手続と並行し、欧州統一特許裁判所または欧州特許条約加盟国の国内裁判所において特許侵害または特許無効の司法手続がなされている場合に異議申立手続の早期審理を行う旨の通知を公示しました。
4.欧州 分割出願において提出される核酸/アミノ酸配列表の取扱実務を明確化
欧州特許庁(EPO)は、2023年11月30日付け公報に、分割出願において提出される核酸/アミノ酸配列表に関する通知を公示しました。同通知は、世界知的所有権機関(WIPO)の旧標準ST.25に準拠した配列表を含む特許出願から分割出願を行う場合において、分割出願において提出される配列表の取扱実務を明確にするものです。この取扱実務は、2023年11月30日から適用されました。
5.英国 人工ニューラルネットワークを含む発明の特許保護適格性に関する審査指針を変更
英国知的財産庁(UKIPO)は、2023年11月29日、人工ニューラルネットワークを含む発明に係る特許出願ついて、特許保護適格性判断に関する審査指針の変更を通知しました。UKIPOは、当該発明が「コンピュータプログラムそれ自体」であるとして、特許保護不適格の理由で出願を拒絶しました。しかし、その拒絶決定は、控訴審において、英国高等法院により覆されました。審査指針の変更は、高等法院の判決にしたがった措置です。
6.ギリシャ 国際意匠出願に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定を批准
ギリシャ政府は、2023年11月13日、国際意匠出願に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定の批准書を世界知的所有権機構(WIPO)に付託しました。ギリシャについて、ジュネーブ改正協定の発効は2024年2月13日となります。
7.オーストラリア 先端技術分野の商標分類に関する指針を発行
オーストラリア知的財産局(IPA)は、2023年8月10日、先端技術分野の商標分類に関する指針を公表しました。この指針は、2024年1月1日に第12版(2024年版)として発効予定のニース国際分類の追加に沿ったものであり、即日適用となっています。
8.国際出願 国際特許出願・予備審査請求に関係した手数料の軽減・支援措置の申請手続を公表
日本特許庁(JPO)は、2023年11月15日、国際特許出願について、世界知的所有権機関(WIPO)国際事務局のための手数料の一部のみを特許庁に納付することを可能にし、中小企業などを対象とした軽減・支援措置を講じるための申請手続を公表しました。これは、2024年1月1日に発効する「特許協力条約に基づく国際特許出願等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(令和4年 経済産業省令第80号)」を適用するための申請手続です。
9.国際出願 手数料を改定
日本特許庁(JPO)は、2023年12月1日、国際出願手数料の改定を公表しました。改定手数料は、項目毎の基準に従い、2024年1月1日から適用になります。国際出願手数料は増額されますが、一方で、オンラインで出願した場合の減額も若干大きくなっています。
※ニュース記事は一般的な情報等の提供を目的とするものであり、弊所の法的助言又は公式見解を示すものではありません。この資料を利用して企業活動方針等を決定され営業上の損害が発生したとしても、弊事務所として責任を負い兼ねますことをご了承いただきたくお願いいたします。
閲覧やダウンロードに関する問題やご意見等がございましたら、弊所( gaikoku-g@s-sogo.jp )にemailでご連絡いただきますようお願いいたします。