海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許出願の最初のオフィスアクションの推定発行日を知らせるツールの運用を停止
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年8月28日から、特許出願について、最初のオフィスアクションの推定発行日を知らせるツール(First Office Action Estimator)の運用を停止しています。
2.米国 意匠特許弁理士制度を創設するための特許規則改正を公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年11月16日付け連邦官報に、意匠特許に限って庁手続を代理可能な意匠特許弁理士(Design Patent Practitioner)制度を創設するための特許規則改正を公示しました。この特許規則改正は、2024年1月2日に発効します。
3.米国 コンピュータが生成する電子画像の意匠特許保護適格性についての補足審査指針を公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年11月17日付け連邦官報に、コンピュータが生成する電子画像(アイコンやグラフィックユーザインターフェイスなどを含む)の意匠特許保護適格性を判断するための補足審査指針を公示しました。本指針は、同日から適用になりました。
4.欧州 国際特許出願を欧州特許庁に国内段階移行する場合の優先権主張に関する指針を更改
国際知的所有権機構(WIPO)は、2023年11月24日、国際特許出願(PCT出願)に関し、欧州特許庁(EPO)の手続に関連する出願人ガイド(PCT Applicant's Guide:PCT出願人ガイド)を更新しました。主要な変更点は、「先の出願」の優先権主張を伴うPCT出願をEPOに国内段階移行出願する場合の出願人の異同について明確にしたものです。
5.欧州 最先端技術分野に焦点を当てた特許分析レポートを順次発行
欧州特許庁(EPO)は、最先端技術分野に焦点を当てた特許分析レポート(Patent Insight Report)を順次発行しています。2023年は、量子コンピューティング、量子シミュレーション、mRNA技術、洋上風力発電の分野に関するレポートが発行されました。
6.中国 日中特許審査ハイウェイ試行プログラムの延長を発表
中国国家知識産権局(CNIPA)は、2023年10月26日、日中特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムについて、2023年11月1日から2028年10月31日までの5年間延長することを公表しました。日本特許庁(JPO)からも同様の発表がありました。
7.韓国 商標法を一部改正しコンセント制度を導入
韓国政府は、2023年10月31日、商標法を一部改正する法律(第19809号)を公布しました。この改正により、コンセント制度(同意書制度)が導入されます。本改正法は2024年5月1日に施行され、施行前に出願され、改正法施行後に登録された商標出願についても適用されます。
8.インド 分割出願の発明は親出願にクレームされた発明に限られるとした過去判決を破棄
インド デリー高等裁判所控訴審(Division Bench)は、2023年10月13日、分割出願の発明は親出願にクレームされた発明に限られるとした2022年のデリー高裁一審判決(Boehringer Ingelheim判決)を破棄しました。
9.アルゼンチン 特許・意匠・商標などの出願/権利化/維持に要する庁手数料を改定
アルゼンチン国家産業財産権庁(INPI)は、2023年10月26日付け官報に、特許・意匠・商標などの出願/権利化/権利維持に要する庁手数料の改定(Resolution No. 351/2023)を公示しました。改訂された庁手数料は、2023年12月1日から適用になり、大幅な値上げとなる項目もあります。
10.ミャンマー 工業意匠法を施行
ミャンマー政府は、2023年10月31日、工業意匠法を施行しました。工業意匠法は、2019年1月30日に制定されていましたが未施行となっていました。工業意匠法施行規則、および、意匠出願・権利化などの手続に必要な書式類も既に公表されています。なお、工業意匠法とともに、著作権法も、同日に施行されました。
11.フィジー パリ条約への加盟書を世界知的所有権機関に寄託
フィジー政府は、2023年10月19日、工業所有権の保護に関するパリ条約(パリ条約)への加盟書を世界知的所有権機関(WIPO)に寄託しました。フィジーについてのパリ条約の発効日は、2024年1月19日です。
12.WIPO 国際意匠出願に関する手数料を一部改定
世界知的所有権機関(WIPO)は、2023年11月9日、国際意匠出願に関する手数料の一部改定を通知しました。改定は、国際意匠出願の基本出願料などで、2024年1月1日から適用になります。
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