海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許出願または特許に係る請願手続に関連する事項を網羅したwebページを新設
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年9月6日、USPTOに対して特許出願または特許に係る種々の措置を求めるために用いられる請願(Petition)手続の利便性向上のため、請願に関連する事項を網羅したwebページを新設したことを通知しました。
2.米国 特許審判部および商標審判部での審理における合議体形成について指針を公表
米国特許商標庁(USPTO)長官は、2023年9月22日、特許審判部(PTAB)および商標審判部(TTAB)に提起された事案を審理する合議体形成についての指針を公表しました。指針は、2023年11月21日に発効し、同日以降にPTAB/TTABにおいて合議体が形成される全ての手続に適用されます。
3.米国 AFCP 2.0の試行期間延長を通知
米国特許商標庁(USPTO)は、2023年9月23日、AFCP(After Final Consideration Pilot)2.0の試行期間を延長する旨を通知しました。延長後の試行期間は、2024年9月30日までとなっています。
4.欧州 2023年11月1日以降の日付の庁通知に対し10-dayルールの適用を廃止
欧州特許庁(EPO)は、2023年11月1日以降の日付の庁通知(郵送による通知または電気通信手段による通知)に対し、期限計算における10-dayルールの適用が廃止される旨をリマインドしました。
5.欧州 欧州特許ガイド 2023を発行
欧州特許庁(EPO)は、2023年10月2日、欧州特許取得に関する全体像を解説した欧州特許ガイド(European Patent Guide)2023(HTML版、PDF版)を発行しました。同ガイドは、2023年7月1日までに発効したEPO手続変更を反映しています。
6.欧州 基礎出願と欧州特許出願の出願人が異なる場合の優先権主張に関する拡大審判部審決
欧州特許庁(EPO)拡大審判部は、2023年10月10日、優先権主張を伴う欧州特許について、EPOが当該優先権主張の適格性を評価する権限を有する旨の審決を下しました。この審決は、欧州出願の出願人が基礎出願の出願人と異なる場合、欧州出願において基礎出願の優先権を主張することが有効であるか否かが争点となった技術審判(T 1513/17, T 2719/19)からの2つの付託質問に答えたものです。
7.欧州 譲渡の証拠として提出される文書上の署名は手書きの署名であることが必要と審決
欧州特許庁(EPO)審判部は、2023年9月4日、欧州特許出願の譲渡をEPOに登記する際に譲渡の証拠として提出される文書(譲渡契約)上に表記される当事者の署名とは、「手書き署名」であるとの審決を行いました。また、審決は、2021年10月22日付けのEPO通知による「適格な電子署名の許容」が、欧州特許条約(EPC)の現行規定から逸脱しているとしました。
8.韓国 審判手続に関する特許法・実用新案法・デザイン保護法・商標法の一部改正を公布
韓国政府は、2023年9月14日、国会における決議を経て、審判手続に関する特許法・実用新案法・デザイン保護法・商標法の一部改正を公布しました。各改正法は、2024年3月15日に施行されます。
9.ベトナム 2022年改正知的財産法の一部条項の実施に関する細則を規定した政令を施行
ベトナム政府は、2023年8月23日、2022年改正知的財産法の一部条項について、それらを実施するための細則や指針となる政令(No. 65/2023/ND-CP)を公布し、即日施行しました。また、ベトナム国家知的財産庁(IP Viet Nam)は、2023年8月25日、同政令において新たに規定された主要点をまとめた通知(No. 3492/TB-SHTT)を公表しました。
10.ベトナム 日・ベトナム間の特許審査ハイウェイ試行プログラムの2023年度下半期受付件数を通知
ベトナム国家知的財産庁(IP Viet Nam)は、2023年10月5日、日本特許庁(JPO)と間で行っている特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムへの参加申請(PPH申請)について、2023年度下半期(2023年10月1日から2024年3月31日まで)の受付上限件数を通知しました。IP Viet Namが、2023年度下半期に受け付けるPPH申請の上限件数は128件です。
11.インド 特許法・商標法における刑罰や罰金の見直しに関する改正法を公布
インド司法公正省は、2023年8月11日付け官報に、2023 年Jan Vishwas Act(JV法)を公布しました。JV法は、さまざまな法令に規定された刑罰や罰金を、犯した犯罪や違反の重大さと刑罰の重さとの間でバランスをとり、非刑罰化や合理的な罰金とするための改正法です。同法により、1970年特許法および1999年商標法も一部改正され、即日施行されました。
12.南スーダン 商標法施行前に商標予約の受付を開始
南スーダン共和国の知的財産担当相は、2015年知的財産権法の施行前に、商標予約の受け付けを開始すると発表しました。
13.WIPO マドリッド協定議定書にもとづく国際商標出願手続に関する規則改正
世界知的所有権機関(WIPO)は、2023年9月19日、第57回マドリッド同盟総会においてマドリッド協定に関する議定書に基づく規則の改正が採択されことを通知しました。規則17条、18条、32条、40条の改正が2023年11月1日に発効し、規則21条、23条の2、32条の改正が2024年11月1日に発効します。
※ニュース記事は一般的な情報等の提供を目的とするものであり、弊所の法的助言又は公式見解を示すものではありません。この資料を利用して企業活動方針等を決定され営業上の損害が発生したとしても、弊事務所として責任を負い兼ねますことをご了承いただきたくお願いいたします。
閲覧やダウンロードに関する問題やご意見等がございましたら、弊所( gaikoku-g@s-sogo.jp )にemailでご連絡いただきますようお願いいたします。