海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 特許商標庁が5G標準必須特許の取得活動に関する分析結果を公表
米国特許商標庁(USPTO)は、2022年2月15日、5G通信標準に関連した技術開発を行っている会社の特許取得活動を分析した報告書を公表しました。報告書では、5G分野で最も活発な特許取得活動を行っている会社として6社が特定され、「現時点では、それら6社が競い合う状態にあり、特定の1社が支配するような状況にはない」と結論付けられました。
2.欧州 核酸/アミノ酸配列表の提出形式をWIPO標準 ST.26に準拠した仕様に変更
欧州特許庁(EPO)は、2021年12月9日付け長官決定に従い、欧州特許出願における核酸/アミノ酸配列表の提出を、世界知的所有権機関(WIPO)が定めた標準仕様ST.26に準拠した拡張マークアップ言語(XML)による形式に変更します。変更は、出願日が2022年7月1日以降である欧州出願、および、国際出願日が2022年7月1日以降であるPCT出願からの移行出願(Euro-PCT出願)に適用されます。
3.シンガポール 知的財産関連法の改正法案が国会を通過
シンガポール知的財産庁(IPOS)は、2022年1月12日、知的財産関連法(特許法、登録意匠法、商標法、植物品種保護法、2014年地理的表示法)を改正する法案(IP (Amendment) Bill 2021)が国会を通過したと発表しました。法務省副大臣は、国会(Second Reading Speech)に対し、改正法のほとんどの事項を2022年5月までに施行する旨の説明を行っています。
4.マレーシア 特許法改正法および改正施行規則が発効
マレーシアにおいて、2022年3月18日、特許法改正法(Patents (Amendment) ACT 2022)と、出願関連の改訂申請書式や新料金を含む改正施行規則(Patents (Amendment) Regulations 2022)および指令(Directive of Patent Act 1983 and Patents Regulations 1986)が施行されました。なお、改正法に定められた一部規定の施行は延期されました。
5.アラブ首長国連邦 産業財産および特許に関する新たな連邦法が発効
アラブ首長国連邦(UAE)において、2021年12月1日、産業財産および特許に関する新たな連邦法(Federal Law No. 11 of 2021 on Industrial Property and Patents)が発効しました。同法は、特許、実用新案証、産業意匠の他、新たに集積回路配置や非開示情報の保護に関する規定も盛り込まれています。新連邦法の施行規則は未公表です。旧特許法(Patent Law No. 17 of 2002)は廃止されますが、新連邦法の施行規則が発効するまでは旧特許法に基づく規則が存続します。
6.アラブ首長国連邦 新商標法が発効
アラブ首長国連邦(UAE)において、2022年1月2日、新商標法(Federal Decree-Law no. (36) of 2021 ON TRADEMARKS)が発効しました。新商標法は、湾岸協力理事会(GCC)商標法と同様の規定もありますが、UAE独自の条文も追加されています。新商標法の条項は、当該条項に従って出願が補正されることを条件に、発効日前に出願された未査定の商標出願に適用されます。新商標法の施行規則は未公表です。
(文責 外国特許制度グループ)
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