海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.欧州 欧州特許条約および規則に規定の料金と庁手数料の金額改訂を公示
欧州特許庁(EPO)は、2022年1月の庁官報に、料金規則(Rules Relating Fees)を改正し、欧州特許条約(EPC)や実施規則において支払が定められた料金、及び、庁手数料の金額改訂を公示しました。改訂後の金額は、2022年4月1日に発効し、2022年4月1日以降になされる支払いに対して適用されます。
2.欧州 欧州特許審査ガイドラインとPCT-EPOガイドラインの2022年改訂版を公示
欧州特許庁(EPO)は、2022年2月3日、「欧州特許審査ガイドライン」及び「PCT-EPOガイドライン(PCT国際調査機関としてのEPOでの調査及び審査ガイドライン)」の2022年改訂版を公示しました。改訂版は、2022年3月1日に発効します。発効と並行し、2022年4月15日まで、意見募集も行われます。
3.欧州 誤って提出された欧州特許出願書類の訂正手続に関する施行規則改正
欧州特許庁(EPO)は、2022年1月の庁官報に、誤って提出された欧州特許出願書類(明細書、請求の範囲、図面、またはそれらの一部)の訂正手続に関する施行規則の改正を公示しました。改正規則は、2022年11月1日に施行され、同日以降に出願された全ての出願に対し適用されます。
4.欧州 統一特許裁判所協定の暫定適用開始、及び、統一特許制度開始に向けた出願人支援策の公表
統一特許裁判所(UPC)準備委員会と欧州特許庁(EPO)は、2022年1月19日、オーストリアが「UPC協定の暫定適用に関する議定書(PPA)」の批准書を欧州連合(EU)理事会に付託したことより、PPAが発効し、UPC設立に向けた最終作業を開始したと発表しました。また、EPOは、2022年1月のEPO官報において、出願人が統一特許による保護に向けて早期に取り組みを開始できるよう、2つの過渡的支援策を公表しました。
5.中国 ハーグ制度ジュネーブ改正協定に加盟
中国政府は、2022年2月5日、ハーグ協定の1999年ジュネーブ改正協定への加入書を世界知的所有権機関(WIPO)に寄託しました。同協定は、中国において、2022年5月5日に発効します。
6.韓国 商標法を一部改正
韓国商標法の一部改正法が、2022年2月3日、公布されました。この改正では、個人・小規模事業者による商標権獲得に資すること目的として、部分拒絶制度・再審査請求制度が導入されます。また、デジタル商品取引の活性化に伴い、商標使用行為の類型も拡大しました。改正法は、2023年2月4日に施行されます。
7.ベトナム 特許審査ハイウェイ試行プログラムに基づく早期審査申請の受付停止
ベトナム国家知的財産庁(NOIP)は、2022年1月26日、日ベトナム特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムに基づく2021年10月1日から2022年3月31日までの早期審査申請の受付について、上限件数に達したので受付を停止することを通知しました。
8.インド COVID-19蔓延に伴う法定期限の延長処置を継続
インド特許意匠商標総局(CGPDTM)は、2022年1月18日、COVID-19の再蔓延に伴う処置として、法定期限の延長処置を2022年2月28日まで継続することを通知しました。
9.タイ 日本特許庁との特許審査ハイウェイ試行プログラムを延長
日本特許庁(JPO)とタイ知的財産局(DIP)との間の特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムが、2022年1月1日から2023年12月31日までの2年間延長されました。DIP対してPPH申請をする場合の手続が若干変更になり、新しい申請書式と記載要領が公表されました。
10.タイ 新たな商標審査基準を告示
タイ知的財産局(DIP)は、2022年1月17日、新たな商標審査基準を告示しました。尚、新たな商標審査基準は告示日から即日発効となっています。
11.イラク 特許協力条約に加盟
世界知的所有権機関(WIPO)は、2022年1月31日、イラク政府が特許協力条約(PCT)への加盟書を付託したと発表しました。
(文責 外国特許制度グループ)
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