海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 改正商標法を施行するための規則改正を公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2021年11月17日付け連邦官報に、改正商標法(Trademark Modernization Act of 2020)を施行するための規則改正を公示しました。規則改正は2021年12月18日に発効しますが、一部の規定の発効は2022年12月1日になります。
2.欧州 欧州特許異議申立手続におけるビデオ会議口頭手続の試行プログラムを延長
欧州特許庁(EPO)は、2021年11月24日、異議申立における口頭手続をビデオ会議で行う試行プログラムの延長決定を公示しました。
3.欧州 出願後に提出された証拠により進歩性を主張する出願などの審査手続を停止
欧州特許庁(EPO)は、進歩性主張のための技術的効果を証明する証拠が出願後に提出された場合の証拠採用についての質問が拡大審判部に付託されたことを受け、進歩性判断がそのような証拠だけに基づくような出願の審査手続(異議申立を受けた特許の審査手続も含む)を2021年11月30日をもって停止することを告示しました。
4.欧州 優先権書類の提出についての運用細則を変更
欧州特許庁(EPO)は、2021年11月30日、「先の出願」の優先権を主張する欧州特許出願を行う場合の「先の出願」の写しの提出(規則 52(2), 163(2))に関する運用細則を変更する決定を公示しました。変更された運用細則は、2022年1月1日から施行されます。
5.中国 商標審査・審理指南の改正を公示
中国国家知識産権局(CNIPA)は、2021年11月22日、商標審査・審理指南(ガイドライン)の改正を公示しました。改正は、商標の審査・審理基準と手続を標準化し、各段階での法律適用の統一と基準執行の一致を保障するためになされたもので、2022年1月1日に発効します。
6.台湾 意匠登録出願について日本との優先権書類の電子的交換開始
台湾経済部智慧財産局(TIPO)は、2021年11月24日、「日台優先権証明書類の電子的交換作業要点」の改訂を発表しました。改訂作業要点は、2022年1月1日に発効します。
7.オーストリア 欧州統一特許裁判所協定の暫定適用に関する議定書を批准
オーストリア議会は、2021年12月2日、欧州統一特許裁判所(UPC)協定の暫定適用に関する議定書(PPA)の批准を満場一致で承認しました。
8.国際出願 特許法等の一部改正に伴うPCT/国際商標登録/国際意匠登録出願関係の変更
日本の「特許法等の一部を改正する法律」(2021年5月21日公布)の施行期日を定める政令が2021年9月14日に閣議決定されたことに伴い、PCT出願、国際商標登録出願、国際意匠登録出願に関する改正も施行日が確定しました。PCT出願と国際商標登録出願について、2022年4月1日より、日本特許庁(JPO)の手数料が値上げになります。なお、日本国内出願(特許・商標)関係の手数料も同日に改定されます。
(文責 外国特許制度グループ)
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