海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 連邦最高裁判所が特許審判部の行政特許判事の決定権限について判断
米国連邦最高裁判所(最高裁)は、2021年6月21日付のUNITED STATES v. ARTHREX事件判決において、「特許審判部の行政特許判事が、当事者系付与後特許レビューにおいて特許商標庁長官による再審理のできない決定権限をもつこと」が行政特許判事の任命実態と合衆国憲法上不適合であると判断しました。
2.欧州 統一特許裁判所を巡る現況
欧州特許庁(EPO)は、2021年4月13日、欧州議会法務委員会に参加したEPO長官が、欧州単一効特許(UP)の最近の動向に言及し、「欧州は、UPの実現をこれまで以上に必要としている」と述べたことを公表しました。UPを巡っては、UPと一体である統一特許裁判所(UPC)について、ドイツによる統一特許裁判所協定(UPCA)批准保留や、イタリアによるUPC生命科学分野中央部の誘致の問題が解決されていない状況です。
3.中国 改正専利法施行に関連した審査業務の処理に関する暫定処置を公告
中国国家知識産権局(CNIPA)は、2021年5月25日、改正専利法(特許、実用新案、意匠)の施行(2021年6月1日から)に伴い、専利出願の審査業務の処理に関する暫定処置を公告しました。これは、改正専利法の実施細則が未だ改正途中であるための処置です。暫定処置は、2021年6月1日に発効しました。
4.台湾 コンピュータソフトウェア関連発明に関する審査基準を改訂
台湾経済部智慧財産局(TIPO)は、2021年6月9日、審査基準第二篇第12章 「コンピュータソフトウェア関連発明」の改訂を2021年7月1日から施行する旨を布告しました。
5.韓国 優先審判の対象拡大などを含む審判事務取扱規定の改正を施行
韓国特許庁(KIPO)は、2021年3月31日、優先審判の対象拡大などを含む審判事務取扱規定の一部改正を施行しました。
6.ユーラシア 意匠特許出願を受付開始
ユーラシア特許庁(EAPO)は、2021年4月14日、ユーラシア意匠特許出願の受付を2021年6月1日に開始することを発表しました。
(文責 外国特許制度グループ)
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