海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 商標関連の庁手続料金の値上げを公示
米国特許商標庁(USPTO)は、2020年11月17日付けの連邦官報で、商標登録手続、権利維持などの庁料金に関する連邦規則(37 CFR Parts 2 and 7)の改正を公示しました。新料金は、2021年1月2日から適用されます。
2.英国 EU離脱による移行期間満了後の知的財産関連の主要変更点を告知
英国知的財産庁(UKIPO)は、2020年10月28日付けで、欧州連合(EU)離脱の移行期間満了に伴う2021年1月1日以降の知的財産関連の主要な変更点を告知しました。
3.中国 改正専利法を可決
中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会は、2020年10月17日に、専利法(特許、実用新案、意匠が対象)の改正案を可決しました。改正専利法は、(i) 専利権侵害に対する懲罰的損害賠償の導入などの専利権による保護の強化、(ii) 職務による専利についての会社などによる処分権の明確化やオープンライセンス制度の導入などの専利権の活用促進、(iii) 部分意匠への意匠権保護対象の拡大や意匠権の存続期間延長などの専利制度改善、を含みます。改正専利法は、2021年6月1日に施行されます。
4.台湾 スタートアップ企業に対する特許支援制度を公表
台湾経済部知慧財産局(TIPO)はスタートアップ企業の特許取得を促進するために、「スタートアップ企業積極型特許審査試行方案」を制定し、2021年1月1日から試行すると公表しました。この制度は、研究開発能力を備えるスタートアップ企業が迅速に特許を取得し、特許権を有することにより融資を受けることに有利になることを目的としています。
5.インド 特許(改正)規則2020及び特許(第2改正)規則2020を施行
インド商工省産業・国内取引促進局(DPIIT)は、2020年10月19日、特許(改正)規則2020を公表し、同日付にて施行しました。更に2020年11月4日、特許(第2改正)規則2020を公表し、同日付にて施行しました。
6.カナダ 連邦裁判所が特許適格性の判断への「課題解決アプローチ」の適用を否定
カナダ連邦裁判所は、2020年8月21日付けのYves Choueifaty v Attorney General of Canada事件の判決において、コンピュータに実装される方法に係る発明の特許適格性を判断する際のクレーム解釈に、課題解決アプローチ(problem-solution approach)を適用することは誤りであると判示しました。
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(文責 外国特許制度グループ)