海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 AI技術による知的財産権への影響に関するパブリックコメントを公表
米国特許商標庁(USPTO)は、2020年10月6日に、昨年募集した「AI(Artificial Intelligence)技術による知財分野への影響」に関するパブリックコメントを総括する報告書を公表しました。
2.メキシコ 米・墨・加協定を反映させた新たな産業財産権保護法を施行
メキシコにおいて、新たな連邦産業財産権保護法が2020年7月1日に連邦官報に公示され、2020年11月5日より施行されます。新たな連邦産業財産権保護法は、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わり米国、メキシコ、カナダ間で締結された米・墨・加協定(USMCA)の内容を反映しています。
3.英国 高等法院、「AIマシンは特許法における発明者ではない」とした知的財産庁の決定を支持
英国高等法院(商事財産裁判所)は、2020年9月21日に、「発明者がAI(Artificial Intelligence)マシンである」とした特許出願に対し「自然人ではないAIマシンは、特許法に規定された発明者となれず、出願人に権利を譲渡する法的能力もない」とした英国知的財産庁(UKIPO)の決定について、当該決定を不服とした出願人の控訴を却下しました。
4.台湾 特許出願に関する第三者意見作業要点を公表
台湾経済部知慧財産局(TIPO)は、2020年8月25日、特許出願に関する第三者意見作業要点を公表し、2020年9月1日より実施しました。台湾では、2013年1月から施行された改正特許法施行規則に第39条が新設され、特許審査プロセスへの公衆参加のツールとして、第三者意見制度(情報提供制度)が導入されました。本要点は、この公衆参加の手続きを明確にするものであり、目的、情報提供の期間、情報提供の理由、必要書類等の10の要点から構成されています。
5.台湾 意匠審査基準の改正
台湾経済部知慧財産局(TIPO)は、2020年10月5日付で、意匠審査基準の改正内容を公布しました。改正後の審査基準は、2020年11月1日付で施行されます。主な改正点は、画像意匠に関する規定の修正、建築物及び内装を保護対象として明文化、明細書及び図面の開示要件の緩和、分割出願の規定の緩和です。
6.インド 2018-19年度の知財年次報告書を公表
インド特許意匠商標総局(CGPDTM)は、2020年9月22日に、特許、意匠、商標など知的財産権全般の出願・審査動向を含む2018-19年度(2018年4月1日から2019年3月31日)の年次報告書を公表しました。
7.ベトナム 日本からのPPH申請受付再開
ベトナム国家知的財産庁(NOIP)は、2020年10月1日より、日本国特許庁(JPO)からの特許審査ハイウェイ(PPH)試行プログラムに基づく申請の受付を再開しました。PPH申請の要件や手続きについては変更はありません。
8.トリニダード・トバゴ マドリッド協定議定書に加盟
トリニダード・トバゴが2020年10月12日付でマドリッド協定議定書に加盟しました。トリニダード・トバゴについて、マドリッド協定議定書は2021年1月12日に発効します。今回のトリニダード・トバゴの加盟により、マドリッド協定議定書の加盟国数は107カ国・地域になります。
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(文責 外国特許制度グループ)