海外特許制度の改正に関して、当事務所が独自に集めたニュースの抜粋情報です。
1.米国 USPTOがAIマシンを発明者とした特許出願を認めないことを決定
米国特許商標庁(USPTO)は、2020年4月27日付けで、AIマシンを発明者とした出願について、出願瑕疵訂正の庁通知の撤回を求めた申立てを却下する決定をホームページ上に公開しました。本決定で、USPTOは、「米国特許法に規定された発明者は自然人(natural person)でなければならない」との立場を明確にしました。
2.米国 USPTOが特許適格性に関する最近の審査動向を分析
米国特許商標庁(USPTO)は、2020年4月23日付けのプレスリリースで、特許法101条に規定された特許適格性の例外(自然法則、自然現象、抽象概念)について、Alice最高裁判決によって生じた特許審査の不確実性が、2019年1月に発行された「特許適格性に関する審査指針(2019 PEG)」の発行によって非常に改善されたという分析結果を公表しました。
3.米国 連邦最高裁、IPR請求の適時性に関するUSPTO決定は上訴不可と判示
米国連邦最高裁判所(連邦最高裁)は、2020年4月20日に、Thryv, Inc. v. Click-to-Call Technologies, LPの事件において、当事者系レビュー(IPR)の請求が適時になされたとの特許公判審判部(PTAB)による決定は上訴できないと判示しました。
4.米国 連邦最高裁 商標権侵害者が得た利益の回収において故意侵害は前提条件でない
米国連邦最高裁判所(連邦最高裁)は、2020年4月23日のRomag Fastners, Inc. v. Fossil, Inc.の判決で、商標権侵害において、商標権者が「侵害者が侵害によって不当に得た利益の回収」を請求する場合、侵害が故意であったことを示すことは前提条件ではないと判示しました。
5.韓国 特許法施行規則の改正-臨時明細書の提出による出願日の確保が可能に
韓国特許庁は、特許法施行規則を改正し、所定の明細書書式に従わず、発明の説明を記載した「臨時明細書」を提出可能な制度を設け、2020年3月30日から施行することを明らかにしました。
6.韓国 2019年の知的財産暫定統計を公表
韓国特許庁は、ホームページ上で、2019年の知的財産(特許、実用新案、意匠、商標)出願に関する暫定統計を公表しました。
7.WIPO 2019年のPCT(特許)、マドプロ(商標)、ハーグ(意匠)の出願統計を公表
世界知的所有権機関(WIPO)は、2020年4月7日のプレスリリースで、2019年の特許協力条約(PCT)に基づく国際出願、マドリッドプロトコルによる商標出願、ハーグ協定に基づく意匠出願についての統計を公表しました。
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(文責 外国特許制度グループ)